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回帰係数の値は 10.096 と正の値をとり,p-値は 1%の有意水準で棄却された.正
の値であるから,新規参入の際に製造業が表れているとその地域内での参入件数
は多くなることがわかる.その理由として,各特別区間の新規参入件数から,も
ともと件数の大きな区(千代田区や港区)と,少ない区(足立区や江戸川区)で製造
業が進出していないケースが多くみられた.そのため,特別工場などの設備を足
立区などで設置したところで,その地域は東京都の片隅のエリアであり,横浜や
名古屋のような大工業地域ではない.つまり,そこに日本支社を置くメリットは
何もない.このため,結果として進出件数の大きな区がダミー変数 1となるケー
スが格段に増えた,ということになる.
決定係数は 0.463 であり自由度調整済み決定係数は 0.459 であった.
第4節結論
4.1 本論文の結論
本論文では,近年盛んになってきた対内直接投資の流れを受け,日本に対する外
資系企業に焦点を当て,過去 12 年分の東京特別区の地価データおよび製造業の
参入状況から,外資系企業の新規参入に関する影響について回帰分析を行うこと
を目的とした.
以下,本論文で明らかになったことを述べる.
l 東京 23 区の地価の上昇は,新規企業参入にプラスの影響をもたらす.外資系企
業は地価の大きい場所であるほど,支社を構えることに対するブランド価値を望
んでいる.
l 製造業が新規参入を行うとき,参入数の母体数の大きい地域に集まる傾向があ
る.東京 23 区内では地価の低い地区に日本支社を構える必要性はかなり低く,
件数も少ない.
新規参入を目指す外資系企業にとって,日本の高い地価はハイネックな要素であ
る.積極的な対日直接投資を行うにあたり,阻害要因として家賃などの不動産コ
ストは考えなければならない問題である.日本の経済規模の観点から,特に東京